シリーズ4◆石行遺跡の墨書土器
石行遺跡は、胆沢南都田字石行地内に所在する集落遺跡です。調査区はやや周囲より小高い微高地上に立地し、四面廂建物跡を中心として、その周囲に14棟の竪穴建物跡が配置されます。
発掘調査では、竪穴建物跡から「寺」と墨書された土器が出土しました。「寺」に関連する墨書土器は、6点が見つかっており、「佐々寺」と墨書される土器もあります。おそらく、四面廂建物跡は「佐々寺」と呼ばれる村落内寺院の可能性があります。また、「佐々布」の墨書土器も出土しており、現在の胆沢小山に「佐布」の小字名が残っていることから場所は異なるものの、古代の地名であることが考えられます。

石行遺跡の墨書土器

四面廂建物跡